鶴見戦記

 


本日は少し夢のようなお話をしましょう。

 


昔々あるところに

フットサルの試合がしたいふたりの男女がおりました。

男はフットサルあるいはサッカーを愛しており

観戦側から選手側になることを夢見、

女はかつての選手としての輝きを取り戻すべく

その足がかりとなる機会を求めておりました。

 


その男女には仕える四種の動物がおりました。

そう、中国古代に信じられたあの四種です。

四種の動物は男女の手助けがしたいと考え、

それぞれ人間に姿を変えることにしました。

 


朱雀は下浦に、

白虎は渡部に

青龍は西田に(東なのに)

さらには玄武は南に(北なのに)

 


そうして人間の姿に変身した彼らを従え

男女はフットサルの大会に参加を決意しました。

 


彼らが選んだのは鶴見緑地

 


自然に囲まれた運気の良い場所です。

 


大会は10時から行われました。

 


男と女は念願の試合を前に

意気揚々ともいえる面構えでした。

 


しかし10月とは思えない暑さの中

体力はどんどん奪われ、その顔には

もはや疲弊の色が見え隠れしていました。

 


そんな中輝きを見せたのはやはり女。

 


女の名は徳田というらしい。

 


ピッチを縦横無尽に駆け回り

得点、得点、また得点と大車輪の活躍。

ほとんどすべての得点に絡みました。

 


さて、ここで男について言及しましょう。

 


男の名は大原。

この日の為にトレーニングを積みました。

今まで苦手だったランニングに取り組み

身体を鍛えてきました。

 


その効果があらわれ、守備に攻撃に

献身的な動きが際立っておりました。

 


そうしてふたりを中心にチームは躍進し

ついには決勝戦の舞台に立ちました。

 


勝戦はこれまでの試合よりも一層

一進一退の展開が続きました。

 


この一進一退という言葉にあつらえ向きの

場面が最後の最後、サドンデスのP K戦でしょう。

 


南が脅威のパフォーマンスを魅せます。

 


一本目を止める。

 


サドンデスなので決めれば勝利、だが外す。

 


二本目も止める。

 


サドンデスなので決めれば勝利、だが外す。

 


三本目も止める。

 


サドンデスなので決めれば勝利、だが外す。

 


四本目、ついにゴールを許す。

 


サドンデスなので決めなければ敗北、だが外す。

 


ということで決勝戦にて敗北を喫し

男女の夢はひらり桜のように散りました。

 


しかし男女には更なる夢が出来ました。

 


次回こそ優勝、、。

 


ひとの夢に終わりなし。

 


こうして彼らの戦いは続くのでした。